| □同音異義 |
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日本語は同じ発音で異なる意味をもつ言葉が多い言語です。また，外来語を日本語に訳す際にも原意を歪曲して日本語に置き換えてしまうこともあります。柔軟な分、仕切りが曖昧で、指し示す領域が広範な分、使い易い特徴を持つ言語なのでしょう。
建築における設計の意味もまったく違う作業（図面作製やヒアリング、打合せ、プレゼンテーション等）に対してすべて設計の一語で片付けようとするために多くの誤解の要因になっています。
設計料が違いについては様々な意見が散見されますが、設計料の違いの要因は設計する行為と設計に付随する行為をすべて設計と称することに問題があり、設計能力の差や設計方法の違いから設計料に多寡が出る訳ではありません。
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| □工務店・建築会社の設計姿勢 |
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建築設計事務所で行う設計と工務店や建築会社で行う設計はかなり大きな範疇（建物をつくるもとになる図の意）では同じ設計に属していますが、設計意図を工事現場や職人に正しく伝えることや細部を明確に表現し工事の齟齬をなくすこと、クライアントの意思を図面で伝達すること等、設計意図を伝達する上ではまったく別の設計作業です。工務店や建築会社は同じ会社の中での設計から施工への伝達事項が伝われば設計図としての用は足ります。建物のディテールから新たな建物を考えることやクライアントの考え方に寄り添い建物を構築する作業、材料の新たな使い方の試行等は苦手な分野です。自ずと自らのやり方や会社の施工サイドが指標する工法の範疇にクライアントの意向を当て嵌めながら設計を進める姿勢になります。
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| □住宅産業・住宅メーカー |
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住宅産業や住宅メーカーで行う設計に似た行為も現状では設計と呼んでいますが、設計と称するのは同音異義も甚だしく尚且つ設計の意味を違えた使い方の極端な事例です。
現状では、住宅産業や住宅メーカーの設計に似た行為を設計と呼ぶことで設計料や設計監理料に混乱が生じています。住宅産業及び住宅メーカーの設計に似た行為は部品組立図とか部品組合せ図、あるいは組立模式図と呼べば問題は少し解決するでしょう。彼らが設計と呼ぶものは設計の領域には達していません。設計の領域に達していないものを設計図と呼んでしまっているので可笑しな解釈が生まれます。設計料を取るのではなく組立模式図作製費が必要になるので見積書の設計料は模式図作製料とすべきでしょう。模式図作製料程度であれば工事費用の1％程度の報酬で十分なものを余計に取立てたいがために設計料と偽って3％だの5％だのと法外な金額を要求しています。設計料はお安いですだの、設計料は値引きしますだのと言っていること自体、設計とは縁遠く設計はしておらず組立模式図や組立部品図を作っているからに過ぎず、もう少し強烈に言えば設計ができないあるいは知らない建築士を抱えて設計図に似たような部品図を設計図と称しているに過ぎないのが実態です。設計図を作成する設計料と称していること自体が設計料が混乱する一因となっています。
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| □設計監理料って何でしょ |
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設計とは無から有を発想する行為です。ありものの部品を組み合わせるだけの行為を設計と呼ぶのは間違いで、施工方法の簡略化や施工サイドのやりやすい方法から設計を推し量るのは順序が間違っています。設計はものづくりの基本となり、ものづくりは設計図をもとに行われるものです。
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